たけのこ星人氏のエロ漫画「カクセイ彼女」。ワニマガジン社より発売・全1巻。
二つのシリーズものを含むエロ漫画9作を収録。全体的には暗めの話が多い。
が、ヌケないわけではなく、どの作品も充分に実用的。女の子たちも豊満ちきなバディでけしからん。
「カクセイ彼女」のヌキどころ
君はメイドでしかない

(たけのこ星人「カクセイ彼女」より)
前後編とその間のSPで構成さる「君はメイドでしかない」。親の借金を肩代わりした金持ちに引き取られ、性処理含むメイドとして仕える姉妹。前編は妹をメイドとして好き放題する金持ちの息子を中心に、後編は妹の心中を交えながら物語は展開。SPは姉の性奉仕の様子がサービス的に描かれる。
冒頭、性奉仕する姉を隠れ見て「私は私の運命を理解した」という妹のモノローグが印象的。息子の言うままに屋敷で学校で(同級生)奉仕をする妹。その妹を歪な関係ながらも想う息子。二人の関係の結末は―?という読ませる一作。実用性も充分あっておもしろい。個人的には飄々としている姉の存在が好き。
信じてるから

(たけのこ星人「カクセイ彼女」より)
新しく主人公の彼女になった女の子。元カノから男の影を指摘されるが、純な感じにしか見えない彼女に、その言葉を受け入れられない。彼氏がはじめて、という彼女を信じる主人公だが、セックスを重ねるうちに彼女の違う一面が見えてきて―?
最初から最後まで彼女は可愛らしいんだけど、セックスの反応に違和感を覚える彼氏。エロく乱れる彼女と対象的に、次第に疑心暗鬼になっていく彼氏の表情、という構成がおもしろい。もちろんちゃんと抜けるよ!
シッカリしなきゃ

(たけのこ星人「カクセイ彼女」より)
「シッカリしなきゃ~私の楽園生活~」と「シッカリしなきゃ~私の幸せ手段~」の実質前後編。チャラい彼氏と付き合うマジメな女の子。「悪い噂もあるけどいい人」という自分の彼氏観に従い、その言いなりになってハードなセックス三昧。
しかしラブラブに感じていたのは自分の脳内だけで実は…というトリッキーな構成。素直にイチャラブを書かないあたりが作風らしくて良い。ラストは少しわかりにくいのだが、解説を呼んで納得。読み込み要素もあっておもしろい。なおエロ漫画としてもちゃんと機能しているので安心。
その後の話

(たけのこ星人「カクセイ彼女」より)
些細なことでケンカ別れした彼氏と彼女。ナンパ大学生にエロ調教され「ザーメンタンク」と呼ばれる事に喜びを感じるようになった彼女と、4ヶ月後に再会した彼氏の話。
ローター着用で電車に乗ったり公園で野外露出をしたり、「彼女の望むがまま」にする彼氏。雨の中、泣きながら挿入する彼と、それを喜ぶ彼女。調教中でなく調教後の物語を描くという、これまたひねった構成。「堕ちもの」の無責任なオチに責任を取ってみた、という作品とのこと。
レビューまとめ
以上、たけのこ星人「カクセイ彼女」レビュー。
特徴的なのは、凝ったストーリー設定。表表紙・裏表紙に記載(電子版は巻末)の「カクセイ彼女あれこれ」では、作者自らが各話の成り立ちや意図を解説。
エロ漫画らしからぬ、トリッキーな構成を各話に練り込んでいることがよく分かる。

(たけのこ星人「カクセイ彼女」より)
もちろんエロ漫画なので実用性が重要ではあるのだが、単純に漫画としての読み込み要素があるのがおもしろい。
収録話一覧
| タイトル | ヒロイン属性 |
| 君はメイドでしかない[前編] | JK |
| 君はメイドでしかないSP | 不明 |
| 君はメイドでしかない[後編] | JK |
| 信じてるから | 不明(JD?) |
| シッカリしなきゃ~私の楽園生活~ | JK |
| シッカリしなきゃ~私の幸せ手段~ | JK |
| 弱虫と嘘つき | JK |
| その後の話 | JK |
| 不器用な彼女 | 社会人 |
※属性の判断は一部、主観による。
