上村純子氏が1980年代末期に月刊少年マガジンにて連載していた伝説のお色気漫画「いけない!ルナ先生」。講談社より発売・全5巻。
(上村純子「いけない!ルナ先生」2巻より)
タイトルは「いけない!ルナ先生」だが、おそらくこの漫画でイッた青少年は多数いるはず。ちなみに作者名は「うえむら・じゅんこ」ではなく「かみむら・すみこ」である。
なお本記事の最後では、「いけない!ルナ先生」の同人作品についても紹介。
「いけない!ルナ先生」概要
母親を幼少の頃に亡くし、父親と二人暮らしの中学二年生・神谷わたる。父親の海外赴任を機に、学習塾でアルバイトをする女子大生・葉月ルナとひとつ屋根の下、同居することに。
(上村純子「いけない!ルナ先生」1巻より)
二人暮らしとなったわたるとルナ先生。しかしわたるは色々とダメな部分を発揮。「母親代わりとなってわたるの面倒を見なければ!」と気負うルナ先生は、文字通り体を張った個人授業でわたるを指導するが?というお色気コメディー。
(上村純子「いけない!ルナ先生」1巻より)
1話完結形式で、各巻に4話収録。巻末にイラストなどオマケが掲載されていることも。前身となる「あぶない!ルナ先生」全1巻の設定を基本的に受け継ぐが、母親がいなくなっていること、学校教師ではなく女子大生となっていることが大きな違い。
講談社マガジンコミックスにて全5巻が発売されたが、絶版。現在は電子書籍版で読むことができる。
総評・感想
(上村純子「いけない!ルナ先生」2巻より)
講談社の大手漫画雑誌「月刊少年マガジン」に連載され、多くの青少年の精液を搾り取ったであろうことが容易に想像できるお色気漫画「いけない!ルナ先生」。現在の少年誌では絶対できないあれやこれが詰まっている。
(上村純子「いけない!ルナ先生」3巻より)
物語の登場人物は基本的にルナ先生とわたるだけ。普段はメガネで髪を束ねた地味な風貌のルナ先生が、個人授業を始めるとメガネを取り長髪をなびかせて、その豊満なボディを惜しげもなくさらしてエロエロモードに。
そして各話において80%から90%、ルナ先生は下着姿か裸である、という少年誌として大変けしからん内容。
(上村純子「いけない!ルナ先生」2巻より)
特徴的なのはルナ先生の「わたるが死んじゃう」理論。
「補修に出ない → 0点 → 落第 → ぐれる → 犯罪者 → 死刑!」
のような独特の思考により、極度にわたるの将来を悲観するルナ先生。それがゆえ、わたるの興味のあるエロを利用して授業を行い、読者もその恩恵にあずかる、というシステム(笑)が素晴らしい。
(上村純子「いけない!ルナ先生」2巻より)
直截的な性行為はもちろん無いが、どことなくそれを想起させる際どい描写も魅力的。ルナ先生は「感じる」のではなく、あくまでも「くすぐったいのを我慢する」という建前。
だが、乳首をいじられたり股間をさわられたりして「あ…」と吐息を漏らしながら小刻みに震えるその姿、読者の股間が刺激されない訳がない。
(上村純子「いけない!ルナ先生」2巻より)
また「ルナ先生」を「ルナ先生」たらしめているポイントは、女子大生が自身の豊満な体を年下の男子中学生にいじくり回させている、ということ。しかしそこには恋愛感情というものは一切なく、絶対的に「個人授業」。
背徳感を感じさせながらも、そこに性的な欲望が存在しないことが、いやらしさ満載の中にもなぜか健康的なものを感じさせ、それがかえって読者の心の性感帯を刺激する結果に。
そして「当時、こんな過激な漫画が少年誌に掲載されていた」という事実。「地上波テレビを見ていて不意に目に入ってきたエロシーン」のような、18禁エロ漫画とはまた異なる興奮を味あわせてくれる。
かつての読者も、またお色気漫画が多数少年誌に掲載されていたことを知らない世代も、一読する価値のある貴重なお色気漫画。電子書籍版はこっそり所持するには持ってこいなので、ぜひご覧いただきたい。まあ一度読んでみなよ。エロいからw
(上村純子「いけない!ルナ先生」5巻より)
「いけない!ルナ先生」の同人作品
人気のお色気漫画ということもあり、「いけない!ルナ先生」の同人作品も多数刊行。FANZA同人などでダウンロード購入ができる。そのいくつかをご紹介。
「ふんわか堂」さんの「ルナ先生のいけない!性教育」。
「ふみふみきゃっと」さんの「ねとられ!ルナ先生」シリーズ。
「ルナ先生Project」さんの「ルナ先生Project 同人誌」など。
「yunikamu」さんの「個人授業」シリーズ。
など、いずれも「いけない!ルナ先生」への愛があふれる作品となっている。少年漫画の枠を超えた過激なルナ先生を楽しみたい方は、ぜひチェックされたし。
↓本ブログの「いけない!ルナ先生」同人作品レビューはこちら。