1980年代末期に、小学館「週刊ヤングサンデー」、通称「ヤンサン」に連載されていた漫画「ANGEL(エンジェル)」。作者は遊人氏。
本作があまりにエロすぎて、一般誌であるヤンサンが、エロ漫画を買わない世代にも話題に。一躍ヤンサンの名物漫画となった「ANGEL」。
が、世間のアオリを受けて苦境に立たされ、徐々にエロを縮小、やむなく完結…。しかしその伝説的なエロさは、今見ても色褪せることなく、「ANGEL」の名を冠した続編が刊行されている。
※「ANGEL」電子書籍版は複数バージョンあり。
「ANGEL」概要
12年ぶりに町に返ってきた、硬派な女子高生・静香は、幼いときに命を助けられた男子、熱海康介を探していた。
しかしやっと見つけた康介は、軟派で女好き、へなちょこ。さらにスケベに関して最強の男子になっていた。
(遊人「ANGEL」より)
そんな二人が、同級生たちの困りごとの相談にのったりしながら、近づいたり近づかなかったり、という話。
恋愛漫画というよりは、康介が女の子をとっかえひっかえして繰り広げる、エロ過ぎるセックスがほぼメイン。
(遊人「ANGEL」より)
当初は、当時流行のツッパリヤンキーものの影響か、硬派なサブキャラクターや静香自身もケンカに強い不良、という設定があった。
だが次第にそれらの設定は鳴りを潜め、とにかくスケベ絡みのエロトラブルが描かれるようになる。
総評・感想
というわけで「ANGEL」。とにかくカワイイ女の子たちが、非・成人誌で、予想以上にハードなセックスを繰り広げるのがウリ。
一般誌でもセックス描写が無かったわけではないが、そのエロさから、青少年たちのハートと下腹部を鷲掴みに。
(遊人「ANGEL」より)
作者の遊人氏は、劇画作品を多数描いていたが、徐々にカワイイ女の子メインの作風に変化。それが「ANGEL」で一気に花開く。
登場する女の子は、同級生である女子高生たちが中心。時に女子大生や先生などの、お姉さんキャラも登場。康介のセックス相手となる(JCも数話登場)。
(遊人「ANGEL」より)
主要登場人物は、基本的に康介と静香のみ。時折、静香のサービスシーンも登場するが、物語のメインはゲストヒロインと康介との絡み。
ゲストの女の子は、みんな個性的で可愛く、また性に対しても奔放。「出会って◯分でSEX」を地で行く展開。
(遊人「ANGEL」より)
この「ANGEL」連載時の遊人氏の絵柄が最高に良い。近年も作品が旧作・新作含め、新刊が刊行されるが、やはり「ANGEL」「校内写生」「南極28号」あたりの女の子が、相当にカワイイ。
(遊人「ANGEL」より)
クリッとした目でやや小柄。スレンダーな体型で胸は小ぶりな方。しかしそれがいかにも女子高生的なリアリティを持ち、かつエロいのだから、興奮せずにはいられない!
今でこそ、エロ漫画も一般誌も巨乳・爆乳だらけだが、小ぶりなオッパイをここまで魅力的に描ける漫画家は、なかなかいないのでは。
(遊人「ANGEL」より)
遊人氏の漫画のストーリーは、はっきり言って適当(笑)。だが一応一般誌なので、えエロ漫画よりは物語性あり。
その中で刺激的な絡みをほぼ毎回入れ、オカズとしても実用性充分なのは、流石。エロオンリーの漫画とは、また異なる魅力がある。
(遊人「ANGEL」より)
そしてそこから感じるのは、遊人氏の「カワイイ女の子が乱れまくるエロを描きたい!」という強いリビドー。
連載終了から数十年経った現在でも、色褪せることのないエロさ。新しい刺激が欲しい人に読んでもらいたいエロ漫画である。